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日本のアメリカ離れと自立とは友好国を増やすこと
冷戦時代の前例を踏襲する日本外交は機能不全に陥った。その親米路線に反発する意見は仕組み上、無意味に反米に陥いる。利害の異なる国々をつなぐ架け橋に日本がなれば、世界各国から一目おかれる存在になり、アメリカの国益とも合致する。


親米路線を踏襲する日本外交


歴代の日本政府はアメリカとの友好関係を築くのに腐心してきました。また、そこから日本は多くの利益を得てきました。例えば、拉致被害者の解放問題。過去のいきさつもあり(北朝鮮との約束を破りインドネシアで再会した被害者を返さなかったなど)、北朝鮮との交渉の窓口は閉ざされています。代わって窓口になっているのがアメリカです。ライス・シャワー氏が交渉を担当していました。北朝鮮の核問題では六ヶ国協議が開かれ、日本・アメリカ・中国・韓国・ロシアが北朝鮮と話し合っています。しかし、拉致被害者の問題で日本に肩をもってくれるのはアメリカだけです。(別に他の国が北朝鮮を支持しているわけではありません。無関心なのです(*)


前例主義への批判は反米主義に陥る


そんな日本のアメリカからの自立とはどのようなことでしょうか。巷に流れる自立論はなぜか反米主義に結びつくのです。なぜなのか整理してみました。

吉田茂以来、日本はアメリカとの友好関係を重視してきました。もちろんこればっかりではありません。大平首相の時代には脱吉田外交を掲げ環太平洋構想を立ち上げました。これは今のAPECにつながります。しかし、日本外交史の中では徒花です。戦争で焼け野原になった日本の再建のための援助が必要だった時代には、アメリカとの友好関係重視は実利的に考えて正解でした。しかし、前例を踏襲するうちに機能不全に陥りました。これは後で説明します。さて、日本はアメリカとの友好重視を惰性で続ければそれに異議を唱えたくなるのも無理もありません。それがアメリカにノーです。この仕組み上、自主外交論は反米につながるのです。そしてそこから先は外交論を離れイデオロギー論に流れていきます。


前例踏襲は世界の変化にそぐわない

さて、なぜ吉田外交が機能不全に陥ったのか説明しましょう。世界の情勢が変わりました。冷戦時代であれば、日本が西側世界にいるかぎり、アメリカとの外交だけを考えていても良かった。アメリカは西側の盟主だからです。しかし、冷戦後の多極化した世界では、アメリカは有力なプレイヤーの一つになりました。ネオコンのアメリカ一国主義も破綻しました。アメリカ一国だけでやっていけないことが分かったのです。ですから、オバマ政権の誕生で、アメリカが日本を通り越して中国との関係を重視するのではないかという懸念も生まれてくるのです。アメリカは超然的な盟主ではもうなく、また、貿易やアメリアの国債引き受けなので中国との関係を重視しなけらばならないポジションにいるからです。

盟主でなくなったアメリカとだけの関係を重視しても、当のアメリカへの交渉力を失うのです。関係が悪化して
困るのは日本だからです。なぜなら、他に友好国がいないからです。これを回避するには、日本は他の国との友好を結ぶことです。アメリカとの友好に代わる選択肢を持てば、アメリカとの交渉で優位に立てます。

日本にとってもアメリカは昔ほど重要ではありません。日本の輸出に占めるアメリカの割合はピークの1/3以下にまで落ちこんでいます。



貿易統計の地域別輸出額の推移(PDFファイル)を見れば、日本の輸出の半分がアジア向けであることが分かります。
アメリカに代わる選択肢は生まれつつあります。一党独裁の中国が有力ですが。


一方でアメリカが日本との関係を重視しているのも確かです。オバマ政権は多国間的な外交を展開しています。これは日本を軽んじるという意味ではありません。アメリカの国益の実現を図るのに、複数の国に働きかけることを指すの
です。そして東アジアにおいて、高い国力を持つ民主主義国(*)は日本なのです。だから日本は信頼されるパートナーだとアメリカから認められているのです。

また、日本もアメリカとの関係を断つのは現実的ではありません。アメリカは世界のGDPの20%以上を占めます(日本は約8%です)。世界で最も重要な国に違いありません。


アメリカかそれ以外か第三の道か

さて、ここで対立が生じています。日本の国益のために多国主義をとりアメリカ以外の国と友好を結ぶことと、日本の国益のためにアメリカとの関係を重視してアメリカとの友好を優先することです。





この対立を解消してみましょう。私は、日本がアメリカ以外の国と友好関係を結ぶことが、アメリカとの関係を良くするのに役立つと考えました。人脈の研究では、異なるコミュニティをつなぐ架け橋となる人物に高い価値があるとされています。取引先と仲の良い営業マン、突然起った問題の専門家につてのある人。こんな人物がいればみんな助かります。国と国との関係も同じことでしょう。まず日本と共通の利害を持つ国々との間に問題解決を図る仕組みを作ります。これを他の利害でも作っていくのです。利害の異なる国々をつなぐ架け橋に日本がなれば、それは日本が世界各国から一目おかれる存在になることでもあります。そして、多国間的が外交をとるアメリカとも協力できるのです。アメリカのために利害の関わる国に働きかけてやればいいのです。調停役として振舞えがいいのです。

では、その仕組みにはどんなものがあるでしょうか。現実の取り組みとして、東シナ海における日中共同の油田開発があります。アジア各国の通貨を安定させるための協定も結んでいます。

他にはこんなものはどうでしょうか。日本の食糧自給率はカロリーベースで4割で、残りを輸入に頼っています。そして発展途上国を中心に食糧を自給できない国は多数あります。これらの国を結んで食糧輸出国との交渉力にするのです。一昨年、農作物がバイオ燃料に転用され、食料価格が上昇しました。中長期的に見ると再び食料価格が上昇する可能性があります。石油価格が中長期的には上昇すると考えられるからです。石油会社が新しい油田に投資していないからです(バレルあたり40ドル以下の採算のあらかたの油田を掘り尽くしたからです)。そのため、石油価格の上昇にあわせて、バイオ燃料の需要が高まるかもしれません。


日本が各国との間に問題解決の仕組みを築くことはさらに以下の利点があります。

・国際的な取り組みを通じて日本の国益確保を図れる
・国際的な取り組みを通じてガイアツを防ぐことができる

日本と共通の利害を持つ国と共同で問題解決に動けば、それはそのまま日本の国益を確保することになります。
外圧を防げるのも同じことです。


国内の外交論議は、アメリカと友好を保つか関係を断つかの視点から離れられないでいます。これは、冷戦時代にのみ有効な議論です。肝心なのは、日本の国益を追求しつつ、各国との友好を維持することではないでしょうか。





無関心
拉致被害者の家族の訪韓のさいも、韓国は無関心だった。北朝鮮は韓国人486人を拉致したことが分かっている。

民主主義国
オバマ大統領は、民主主義国が最も優れた国だとガーナで演説した。
author:taiga, category:提言, 13:20
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